子供の時期に矯正治療を始める理由

子供さんの時期に始める矯正を「1期治療」と、大人の歯ならびになってから行う矯正を「2期治療」と分けています。どうせう2回必要なら、大人になってからでも良いのでは?という声もお聞きします。

当院の子供さんの矯正治療(1期治療)開始を考える基準は、、、

  1. 自然に治る可能性が少ない(手遅れとは言いません)
  2. 悪化が、起こる(このままでは大変とは言いません)
  3. 抜歯矯正ケースになってしまう(これは少し言います)
  4. 経過観察に持って行ける(ラッキーな症例はあります)
  5. 簡単な処置で済む(最終的に2期治療で仕上げる時に)
  6. 今やっておけば、呼吸が変わる(当院の治療方針)
  7. 今やっておけば、姿勢が変わる(当院の治療方針)
  8. 自分の子供だったら?(不安な気持ちで始めたくありません)

基準を考えるには、資料がいります。お口の写真、顔写真、姿勢の写真。横向き骸骨レントゲン、歯型、アンケート、必要ならCT、最初に全部は取らなくとも、説明に必要なものは初診で取ります。

資料を揃えて、診査診断を行って、そして説明を行います。お口の見た目だけで、判断はしません。できません。個別で治療方針は微妙に違うからです。

すぐに始めるケースにはもちろんですが、「様子を見ましょう」と言う経過観察の場合でも、「何の様子なのか?」の説明をします。

「私の子供は、どうなんだろう」と来院された、あなたに、あなたの家族の方に疑問や、不安を解消して、判断していただくためです。

当院では上記の1~8を、踏まえた上で判断をしています。それは、決して「手遅れです」「大変です」と不安を煽るような説明ではありません。

 

 子供の時期に始めるメリットは?(大人になってからでも良いんじゃないの?)

メリットの一番は、子供さんの成長の力を引き出す

上顎(顔の部分の骨)は11歳前後まで、成長を続けます。下顎の骨は、成長期にグンと大きくなります。成長のタイミングを上手に利用できれば、抜歯矯正になるケースは、かなり少なくなります。あなたの子供さんが本来持っている、成長の要素を利用する事です。

自然な仕上がりが期待できます。経過観察に持って行けるケースも多くなりますし、大人の矯正になっても簡単に終わるケースが多いです。歯並びは、個性です。決してワンパターーンではありません。

メリットの2番目は、悪い成長を抑えられる事です

例えば、受け口のケース。受け口の動きしか出来ません。動きは、筋肉を骨を受け口に、ますます変えて行きます。24時間ずっと受け口に働きます。

受け口の筋肉の走行になり、受け口の骨の成長になります。顔つきをゆっくりと変えてしまいます。悪い成長の要素は、少しだけ早く改善しておいた方が良いと考えます。

メリットの3番目は、呼吸を改善できる可能性(急速拡大装置)

そもそも、歯並びが悪くなりそう?な原因があるはずです。

原因の一つに「呼吸」があります。原因を改善せずに歯だけをみて治療方針をたてても、効率が悪いと考えます。

成長の要素があるうち(ピンポイントではありません)は、急速拡大装置が使えます。矯正中の過程で、多くのケースで呼吸が口呼吸から、鼻呼吸に変わります。気道が広がる事が多いです。副鼻腔の炎症像が減るケースもあります(CTで確認します)

気道の問題に良い兆しが見えてから、口呼吸から鼻呼吸へのトレーニング(簡単な一言)を始めましょう。

呼吸は、ずっと行います。良い呼吸に変わる事は、矯正終了後、その人の長い人生で大きなメリットだと感じています。

当院の拡大装置と取り外し式の床矯正との違いは、確実に力が骨に伝わる事、管理を患者さん(子供さん)任せにしない事 破損、修理は医院側の責任です。

具体例をCTで説明しています。

 

メリット4番目は2期治療になっても、抜歯を避ける事がかなり多いです。

成長の要素を利用する事で、子供さん自身が本来持っているポテンシャルを引き出します。抜歯の基準は口元の感じだけで決まります。並ばないから抜歯と言うケースは、あまりありません。

判断は、患者さんが半分、私が半分です。

デメリットは???

成長の要素を利用するので、期間が長くなる事もあります。個人で成長は違います。予想は立てますが、幅があります。

装置を複数使用する場合もあります。経過観察の時期を取る事もあります。事前に説明を行います。毎回新しく撮った資料はプリントアウトして説明します。

個人で違うので症例集を参考にしてください。どんどん増やしていく予定です。